省エネ基準の動向

オフィスにおけるプリンター・複合機の消費電力割合

電力消費量が多いとおもわれがちなプリンター・複合機ですが、実はオフィス全体の消費電力の0.5%しか使用されていません。その中で、各メーカーはさらなるエネルギー消費の効率化や削減に取り組み、確実な成果をだしています。

リコーが算出した「オフィスのICT分野のCO2排出量内訳」を基に日経パソコン編集部が推測した値をグラフ化。電力消費の内訳は季節や時刻、オフィスのIT機器の状況などによって変動する。
出典:日経パソコン 2011年6月13日号
省エネ基準の動向

国内外で制定されるエネルギー効率に関する基準値の測定基準として、米国EPA が制定するENERGY STAR 基準が2007 年にTEC (Typical Electricity Consumption, 通称テック) を導入。その後、日本における国際エネルギースタープログラムが基準改訂を行い、さらに日本の省エネ法、ドイツのブルーエンジェルに波及していきました。各メーカーでは、基準値をクリアしつつ、機器の機能向上も実現してきました。

2019年にはENERGY STAR 基準で大きな変更がありました。TEC 計算プロセスにおいて、従来は紙使用量が製品速度の2乗で増加することを想定していましたが、実際には想定ほど増加せずに実体と乖離していることが指摘されました。そこで、TEC 計算式が変更され、TEC 値の表示は従来より小さく表示されることになりました。(Ver.3.0)

2021年には、ENERGY STAR 基準のうち業務用画像機器(Professional Imaging Product)用の基準が効率基準に変更されました。TEC 基準は主にオフィスでのプリンターや複合機の使用を想定して決められていますが、この新しい基準では近年増加中の業務用画像機器に対応しました。(Ver3.2)

注1) 国際エネルギースタープログラムは、1993年から実施しているアメリカ環境保護庁が定めたOA機器の省エネルギーのための制度。日本は1995年から参加。
注2) 省エネ法は、昭和54年に日本で施行された、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の略称。
注3) ブルーエンジェルは、1978年に世界で最初に導入された環境ラベル。その後導入された多くの国の環境ラベルのモデルとなった。
※注) カラー複合機 (35ipm) バージョン毎の平均値 ※注) 算出方法の変更に伴い Ver.3 では値が小さくなっています。
業務用画像機器とは

商業印刷や企業内印刷に用いられるデジタル印刷機

成果物の例)カタログや小冊子、社内資料等

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